こんにちわ!かつやんです!
今回はタナゴを繁殖させる方法を紹介します!
タナゴは繁殖の際二枚貝に卵を産みつける独特の繁殖方法をします!
飼育下で繁殖を行う場合には二通りの方法があります。
『二枚貝を使用した繁殖方法』と『人工孵化させる方法』です。
どちらも他の魚に比べると難易度は高いのですが
特に後者の人工孵化は雌のお腹を押して卵を採卵し、雄の精子をかけて人工孵化させる方法で非常に高度な知識と技術を要します。
※知識がないと魚の命を奪ってしまう事もありますので注意。
一般的には飼育水槽に二枚貝を入れてタナゴに卵を産み付けさせる
『二枚貝を使用した繁殖方法』がポピュラーです。
二枚貝を使った繁殖は決して難しい事ではありませんが
二枚貝の飼育が非常に難しく
貝を入れるタイミングや飼育数、貝の種類も重要です。
今回は二枚貝を使った繁殖方法を詳しく解説していきます。
- はじめに
- 貝の飼育は簡単?難しい?
- 貝は別途水槽で育てたほうがいいの?
- 貝の飼育水槽の作り方
- 貝を買ってきたら最初にする事
- 貝を入れるタイミングはいつがいい?
- タナゴが産卵しやすい貝はどれ?
- 繁殖させる時の飼育数
- 繁殖が初めての方へ
はじめに
簡単に『二枚貝を使用した繁殖方法』を説明すると、
① タナゴを飼育している水槽と別に
貝の飼育&稚魚を孵化させる水槽を用意します。
② 貝飼育水槽に貝を入れて育てます。
③ 雌の卵管が伸びて雄の婚姻色が出てきたら貝を入れます。
④ 3週間たったら水槽から貝を引き上げ貝飼育水槽に入れます。
⑤ 産卵が成功していると約3週間後稚魚が浮出してきます。
上記を繰り返すだけです!
貝を飼育できる環境が出来ていれば然程難しい事ではありません。
またタナゴが二枚貝に全く興味を示さない場合があり、これは入れるタイミングと種類とで解決する事が出来ます。
貝の飼育は簡単?難しい?
貝はデリケートで飼育が非常に難しいです。
貝の飼育が難しいと言われる理由は2点。
『餌不足による餓死』と『水温上昇による死亡』です。
二枚貝の餌問題
二枚貝は植物性プランクトンを餌として食べる為、グリーンウォーターやクロレラが必要です。飼育したことがある方は解ると思いますが、グリーンウォーターに2枚貝を複数入れると1週間で水が透き通ります。
それくらい『食べている』って事です。
水草もないキレイな水であれば2週間もせず餓死してしまうでしょう。
貝の飼育水槽でグリーンウォーターを作り、そこで栄養を取らせて
魚の飼育水槽にも水草やモスを多めに入れておけば問題ありません。
因みに水槽に入れている時期や冬場の餌対策にはシェルエースが非常に良いです。
二枚貝の水温問題
水温においては二枚貝は高温に弱く、一般的に24℃以上の飼育下では飼育できないと言われています。
(種類によっては20℃後半までは耐える事が出来ます。)
それに加えタナゴは春型の産卵(4月~7月)の種類が大半で、水温が20℃を超える5~6月にピークを迎えます。
その為飼育下で繁殖が行えるのは4月~6月末位まで、7月以降(水温が25℃以上)に貝を入れるのは危険です。
貝がタナゴの水槽で死んでしまうと水槽の水質は急激に悪化し、生態が全滅する場合もあります。
以上が貝の飼育が難しいと言われる理由です。
知識を身に着けた上で貝を飼育できる環境が整っていれば然程難しくありません。
貝は別途水槽で育てたほうがいいの?
たなごを繁殖させたい場合は水槽を別途用意して、
『貝の飼育&稚魚の孵化水槽』と『たなご飼育水槽』を設けた方が良いです。
『貝の飼育&稚魚の孵化水槽』は主に貝や産まれた稚魚が餌に困らないよう植物性プランクトンを豊富に含むグリーンウォーターを作り、産卵させるまでと、産卵させた後をここで過ごさせます。
無事産卵が成功した貝は産卵後約2~3日で孵化して3週間程で出てきます。その際親タナゴや別の魚が同じ水槽内に居ると出てきた稚魚は食べられてしまいます。
その為『タナゴ飼育水槽』と『貝飼育水槽』を2個用意した方が良いという訳です。
貝の飼育水槽の作り方
●エアシステム ※エアストーン
●底砂 ※細かいものが好ましい
●水草 ※金魚藻が好ましい
●ライト ※屋外なら不要。
水槽(発泡スチロール)
貝は非常に水質や水温の変化にもデリケートな為、30cmの小型水槽サイズは飼育水の状態が変化しやすい為適していません。ゆとりをもって45㎝程の水槽で飼育をした方良いです。
※水温は23度以下、5度以上が適温です。夏場は特に水温管理が必要になります。
発砲スチロールは外気の影響を遮断する効果があります。
この断熱効果は非常に素晴らしく外気の影響をかなりい遮断してくれます。
夏場に氷の入った発砲スチロールと全面ガラスの水槽を想像すればわかりますよね?
正に発砲スチロールは貝や稚魚の飼育にうってつけの水槽になるのです。
私は以前夏に発泡スチロールに凍らせたペットボトルを昼前に1個いれていたら常に24~27℃で維持できたので二枚貝を活かして夏場を越えれた経験があります。
濾過システム
折角のグリーンウォーターを濾過されては意味がないのでエアストーンを使います。
稚魚がうまれてもエアストーンなら吸い込まれる事もないので安心です。
底砂
貝を飼育するにあたって、貝は底砂に身体の半分を鎮めて生活するので、貝が潜る深さの砂やが必要です。経費削減の為、上や下の写真のようにタッパーを使うと良い。
水草
貝は水中のプランクトンを餌として食べるので、水草も一緒に飼育する必要があります。簡単に増えるマツモやモスはグリーンウォーターを作るのにかなり向いてます。
貝を買ってきたら最初にする事
こちらは説明は割愛します。
稀にヒルの子供なんかが居ると貝が殺されてしまう場合もあったり、そのまま水槽にドボンすると水が臭くなる事もあるので参考程度にご覧ください。
貝を入れるタイミングはいつがいい?
一般的に5から6月が良いとされてますが、
その場合、貝に卵を取れるチャンスは1.2回になってしまいます。運悪くその期間に産卵しないと今期は諦めざる得ません。
なので逆に雌の卵管と雄の婚姻色を誘発させて
4月から産卵をさせる方法を取りましょう。
4月から卵を産ませるコツ
3月中頃辺りから水槽に1個だけ貝を入れます。
種類によっては貝を怖がって1.2日近寄らない種類もいるので早めに慣れさせて損はありません。
通常5月に入らないと卵管が伸びないのですが、前もって一個貝を入れておくと雄が興味を示して婚姻色が早めに色濃く出てきます。
雌を追いかけたり繁殖期に見せる行動を始め、通常より1か月程早く雌も卵管を伸ばします。
雌の卵管がなびく位5.6センチに伸びてきたら一気に5個位貝を入れます。するとその当日に産卵する事もあります。
タナゴが貝に興味を持たない時
私も5種類位試しましたが、大きすぎる貝と小さい貝は人気がありません。
以前小さいイシガイから1匹しか出てこなかったので大きなドブガイを入れたのですが最早生命型濾過ボーイ。タナゴは全く貝とすら認識してくれませんでした。笑
正直貝の種類を変えるのが一番です。
タナゴが産卵しやすい貝はどれ?
参照: 大阪府立環境農林水産総合研究所生物多様性センター
貝は種類によって取れる卵の数、産卵の仕方が全く違います。
卵の数を取りたい。確実に産卵させたい。なら経験上タナゴの種類に問わずカワシンジュガイが1番良いです。
水温変化に最も弱いので飼育は難しいです。
マツカサガイ
採卵…… ★★★★☆
外観…… 表面に松笠模様がある。
大きさ… 5~6cm程。
水温…… 7~26℃
餌……… 植物性プランクトン
タナゴ… ボテ・シロヒレ・カネヒラ
価格…… 1匹¥350~500
【特徴】
経験上暑さには強い比較的20℃後半でも飼育可。
www.tanagogo.work
上記の特徴を踏まえた上で決めてみてはどうでしょうか?
以下のリンクに更に詳しく記載してます。
https://www.tanagogo.work/entry/bivalve-spawning_ground-recommended20200414www.tanagogo.work
繁殖させる時の飼育数
理想は1ペアが一番良い。
もしくは2ペア雌多め。
雄は縄張り争いを始めボロボロになりますし結局産卵権を握るのは一番大きく強い雄です。
複数飼育の場合は雌が多い方が良い。
雄同士の喧嘩もなくなるし、貝を左右に分けて配置すれば両雄が産卵できる。
1ペアの場合雄ががっつかないので雄も雌も傷つかないし、相手が1匹しかいないので比較的繁殖しやすい印象がある。
複数いると雄は縄張りに近づいた雌も勘違いして追い返したり体当たりする事があり産卵シーンを見かけた事がない。
繁殖が初めての方へ
初めてだけど繁殖させたい。
相性の良いペアってどう見分けるの?
産卵行動ってどんなの?
貝の飼育水槽の様子を見たい。
そんな方はコチラの記事をご覧ください。
リアルタイムで繁殖をさせています。
水槽の立ち上げから貝を入れるタイミング等細かく紹介しています。
参考になれば幸いです。