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イタセンパラの特徴・婚姻色・繁殖・生息地・観察できる場所等紹介!


参照: 枚方市HP
こんにちわ!かつやんです!

今回は、1974年 国の天然記念物に指定されている
『イタセンパラ』を紹介します。

青や紫の美しい婚姻色を持ち、タナゴの中で最も体が平たい形をした珍しい特徴を持つタナゴです。

一風変わった『イタセンパラ』という名前の由来は「のように平たい体形で、色やかな部をもつ魚」からついたそうです。
板鮮腹→イタセンパラ

以前は関西を中心に生息していたが、河川の改修や母貝になる二枚貝の減少、外来魚の増加により自然界では絶滅してしまったタナゴです。

現在は天然の個体は自然界で絶滅しており、養殖した個体が淀川水系の一部のワンドなどに生息してます。

売買・飼育・繁殖は勿論、所持しているだけで逮捕されてしまいますので要注意。

この記事ではイタセンパラの生体について紹介したいと思います!

※この記事で使用している写真は各施設やHPの記事を参照として引用させていただいた物です。




イタセンパラの特徴


参照: 世界淡水魚園水族館HP

 イタセンパラの外観 ・ 体長9~12cmと大型。

・吻端は丸く、口ひげはない。

・体形は側扁し、体高が高い。
 
・タナゴの中ではもっとも体が薄い。

・青と桃色の珍しい婚姻色を持つ。
 
・鰓蓋の後あたりに暗色の小斑が見られる。

・腹や尻鰭・背鰭は黒と白の縁取りが美しい。


     
分類 コイ目 コイ科 タナゴ属
育成難易度 ☆☆☆☆☆ 飼育不可
寿命 2~3年前後
水温 15℃〜28℃
性格 気性は普通
混泳 同種のみが好ましい
産卵時期 【秋型】 9~11月
繁殖難易度 難しい
特記事項 1974年には魚類初の国の天然記念物に指定。採取・販売が出来なくなった。




イタセンパラの婚姻色

【イタセンパラ雄の様子】


参照: 東山動植物園HP
雄の婚姻色は鰓ぶたから背にかけて青みがかった紫色に、体側前半部は桃色に染まり、腹は黒くなる。

背鰭と尻鰭は黒で縁取られ、くっきりとした黒と白の縁取りが見える。
鰭が大きく最盛期の雄は他のタナゴに無い美しい婚姻色を呈する。




【イタセンパラ雌の様子】


参照: 東山動植物園HP

雌は生後一年ほどで産卵出来る様になり、秋型の産卵の為繁殖期の9〜11月に淡灰色の産卵管を2~3cm程伸ばす。

明るめの銀白色で、鰭が鮮やかな黄色い色をしている、元々平たい種の為卵を持つと腹部が膨らむのが良くわかる。
オオタナゴの雌と類似している。




イタセンパラの生態


参照: 木曽川上流河川事務所
【食性】
幼魚期は雑食性でプランクトンを食べるが、成長にしたがい植物食性へと変化していく付着藻などの植物性を好む。
野生個体は配合飼料にはなかなか餌付かず、飼育が困難とされている。


【生息環境】

河川のワンドや・池沼・ため池といった、止水域もしくは緩やかでヨシなどが繁茂する浅瀬やそれに繋がる水路に生息する。
藻類が豊富で水底に二枚貝類が生息することが適している。

流れが強く水深のある河川本流は生息に適さず、淀川には生息しない。
現在は淀川水系のワンドなどに局所的に生息している。


【減少した主な原因】

戦後の河川改修工事や都市化などにより、生息地となる河川のワンドやタマリ・岸辺の湿地帯・ため池が消滅した。
水質汚濁も重なり、産卵床となる二枚貝類の生息環境が荒廃・現象したことが大きな原因。

タイリクバラタナゴの生息域拡大、外来種の増殖の影響を受け次第に姿を消していった。







イタセンパラの繁殖方法


大阪市立自然史博物館
【飼育水槽での繁殖】
国の指定天然記念物の為、指定の施設以外での繁殖は出来ません。

近年増加傾向にあり管理している淀川系のワンドに放流をしているとのだとか、自然界でも繁殖してほしいですね。

貝はカワシンジュガイとの相性が良い様です!

【自然界では珍しい秋型産卵】

珍しい秋型の産卵で9〜11月に繁殖を迎える。
産卵管が2~3㎝と短いことから殻高の低いイシガイやササノハガイ、小型のドブガイを好み産卵する。
※秋に産卵するタナゴ類はカネヒラ・ゼニタナゴ・イタセンパラの3種。

産卵後数日から1週間で孵化するが、稚魚は母貝内で越冬し、翌春4〜5月に9mmほどの稚魚が母貝から浮出する。

この方法は産まれてきたばかりの稚魚を外敵から守ったり冬場の水温から稚魚を守る意味合いがあるが、貝自体が越冬中に死んでしまうと中の稚魚も死んでしまう事がある為繁殖は難しい傾向がある。

現在同じ秋型産卵のゼニタナゴもは絶滅危惧になっている。





イタセンパラを観察できる場所


【イタセンパラの分布】
イタセンパラは日本の固有種で元々は琵琶湖淀川水系と濃尾平野、富山平野に分布していた。
京都方言で「ビワタナゴ」と呼ばれるが、現在は琵琶湖には生息していない。

流れが強く水深のある河川本流部は生息に適さず、淀川では本流には生息しない
現在は淀川水系のワンドなどに局所的に生息している。

こちらの施設でも観察できます。

【滋賀県  琵琶湖博物館】

【富山県 ひみラボ水族館】
ひみラボ
https://sites.google.com/site/himilab/

【愛知県 碧南海浜水族館】
碧南海浜水族館/碧南市
http://www.city.hekinan.lg.jp/aquarium/

【神奈川県 相模川ふれあい科学館】
トップページ - 相模川ふれあい科学館 アクアリウムさがみはら
https://sagamigawa-fureai.com/



イタセンパラの保全情報


参照: 牧方経済新聞
【保全状態】

現在は自然界には分布していない。

1974年に天然記念物に、
1995年に国内希少野生動植物種に指定。

環境省レッドリストでは、絶滅危惧IA類に当初から指定されている。
したがって、許可のない捕獲採集や飼育、譲渡売買は禁じられている。
同天然記念物のミヤコタナゴと同様である。



イタセンパラに似ている種類を飼育したい

イタセンパラは前途でも説明した通り、現在飼育する事は出来ません。
『代わり』という訳ではありませんが、イタセンパラに似ている。近い色合いや形をしたタナゴを紹介したいと思います。


【オオタナゴ】

オオタナゴは指定外来種の為飼育できません。
姿かたちはイタセンパラに非常に近いと言えます。
しかし、イタセンパラの様な婚姻色は出ません。

オオタナゴは茨城の利根川下流域や北浦・霞ヶ浦で釣りを楽しむことが出来ます。


【シロヒレタビラ】

形はタビラ亜種と一緒で体高が低く似ていませんが、繁殖最盛期の雄は青や紫・黒・白といったイタセンパラの様な色合いが出ます。

アクアショップではそれほど見かけませんが、ネットショップで購入した方が早いかもしれません。





まとめ

現在イタセンパラは購入・入手・採取する方法はありませんが、一部の施設では観察する事が出来ます。


色合いが非常に美しく体高も高いので迫力があるタナゴです。
関西に行った際には一度間近で観察してみたいものです。