こんにちは!かつやん (@tanagokatsuyann)です!
ブセファランドラ(ブセ)を飼育しているが大きくなる気配がない!小さい葉しか出てこない!
こんな経験をした事はありませんか?
僕はブセを5年程飼育しており、現在も全部で80種近く飼育しています。
実際僕も大きくならず、悩んだ経験があります。
ブセは非常に成長スピードが遅く、中々大きく育ちません。
5年ほど試行錯誤している中で『成長が遅くなる原因』や『葉が小さくなる原因』その対策を自身の経験を元にまとめたので紹介します!
また最後に大きく育てるコツも書いていきます!ブセの飼育経験が浅い方や、ブセの葉や株が小さいとお困りの方は是非お読みください!
今回はブセの葉や株が中々大きくならないよ!ってお困りの方に向けてその理由や対策を詳しく解説するよ!
- ブセが大きくならない理由
- ① 株が小さい(成長も遅く、葉も小さくなる)
- ② トリミングが『早い・多い』
- ③ 活着土台が小さい(水中葉)
- ④ 飼育環境と状態が悪い(水上・水中)
- 成長速度が遅く大型化しない種類がある
- ブセを大型化させるコツ
- まとめ
- 動画コンテンツでも紹介中!
ブセが大きくならない理由

皆さんは知っていると思いますが、まず大前提として『ブセの成長はかなり遅い』です。
状態や種類にもよりますが、成長スピードはおおよそ1年で1.5〜2倍程度です。
ブセが大きくならない理由は経験上コチラが原因になる事が多いかと思います。
② トリミングが『早い・多い』
③ 活着土台が小さい(水中葉の場合)
④ 飼育環境と状態が悪い(水上・水中)
※水質や水温変化
水中葉・水上葉どちらにも言えますが、株の大きさに比例して成長速度が遅く、葉も小さくなります。
またトリミングが『早い・多い』事も成長を遅らせたり、葉を小型化させる要因になります。
トリミングによる傷やダメージで溶けてしまう事もあるので、株分けの際は注意が必要です!
一度溶かしてしまうと復活するまでかなりの時間を要します。
飼育環境や状態が良くないと成長を促進するどころか後退させる要因にもなるので注意しましょう。
下記でそれぞれ詳しく解説して行きます!
① 株が小さい(成長も遅く、葉も小さくなる)

子株と大株では成長速度や葉の大きさが違います。
また株自体が小さいと比例して出てくる葉も小さくなります。
どの種類も葉が小さい時は、ブセ特有のウェーブ・葉丈・色・ラメ等の個性や特徴も出ません。
例えば組織培養なんかは正に典型的な例ですね。
※4年近く育ててますが、未だに小さいです。
ブセは株(茎や軸)の大きさと成長速度・葉の大きさが比例します。
軸・茎が10cm程度ある株であれば、新芽はある程度の大きさの葉が出てきますが、3〜4cmの小株であれば軸の大きさに見合った葉しか出てきません。
株の成長の例
仮に3〜4cmの子株が1年で2倍の6cm程に成長して脇芽を一つ出したとします。
次に大株で3〜4cmの子株が3つ位ついてる様な株だと1年でそれぞれ2倍の6cm程に成長して更に脇芽の数を増やしながら株全体が成長します。掛け算式に増えますが、大株の方が成長点や脇芽を出す数も増えるので結果成長速度も速くなります。
※これはあくまで一例で、種類や状態にもよります。
結論…株が小さいうちは葉も小さいし、成長も遅いよ!まずはしっかり成長させよう!
葉の大きさは株に比例する

ブセを購入する際、『ポット』『組織培養』『カット株』等で購入するかと思います。
『カット株』等は元は大きい株の一部をカットしたものなので、知らない方はこの株の大きさ(茎の長さ)でこのサイズの葉が出てくる。と思ってしまう方も居るのでは?
因みにカット株は暫くは大きめの新芽が出ますが、最初の葉が枯れ落ちた頃には株の大きさに見合った小さな葉が出てきます。その後株の成長と共に少しずつ大きく育ちます。
この現象で葉が小さくなったと勘違いする方も居ますが、葉の大きさは株の大きさに比例しますのでこれは適正になったと思うべきです。
解りやすく写真付きで解説!
下の写真は2020年に購入したブセファランドラsp.ベルベットです。
▼2020年購入ブセファランドラsp.ベルベット
これはネット通販Charmで『カット株』の状態で買ったものです。
本来この株のサイズ(茎の大きさ)ではこの大きさの葉は付きません。
恐らく大株の先をトリミングしたものと思われます。
▼2021年購入後半年の写真
カット株の場合実際活着するまでの3ヶ月はあまり成長は感じません。半年経っても新芽と花が1つずつ増えた程度です。
経験上活着〜半年は特に成長が遅いです。
▼2022年購入後2年目の写真
元の株に生えていた葉は全て枯れ落ちて、新芽や脇芽を出し始めます。
ようやく株(茎)の大きさに適正なサイズの葉がつきました。
▼2023年購入後3年目の写真
上部に3株程新しい株が育ってきました。
当初購入した時の大きさに比べると株の大きさや数は増えましたが、葉の大きさはまだ追いつきません。
○年育てても葉が大きくならないと勘違いしてしまうケースがありますが、どの種類も株の大きさに比例した新芽や葉がでます。
▼2025年購入後5年目現在の写真
株が自体が大きくなった事で葉も大きくなりました。
少しわかりづらいのですが活着物に伸び代が無かったので裏面に岩を配置して更に大型化させています。
大体購入時のカット株の大きさになりましたね。
このベルベットはこのまま10年程育てるとどうなるか実験してみたいですね!
② トリミングが『早い・多い』

▲写真はブセファランドラsp.クアラクアヤンtype1です。
購入後4年になりますが早期トリミングで株を小さくしてしまった為、このサイズの葉ばかり出て大きくなりません。
元々クアラクアヤンtype1自体大型化はしませんが特有の長さが出てません。
少し伸びたら切って→株分けして→を繰り返しているとこの様な結果になります。
ブセは一度カットしトリミングすると再度活着させている間も暫く成長が遅くなります。
株が小さくなる為、比例して出てくる葉はほとんど小さくなってしまいます。
▲コチラは一度もトリミングをせず育てたクアラクアヤン2です。
上のクアラクアヤン1と同時期に同じ大きさの物を購入し育てた物ですが、株も大きい為成長速度も早く、葉も大きく特徴がよく出ています。
▲同様に早期株分をしたビブリスです。
また憶測ですがトリミングによって株を傷つけるとブセの芋が危機を感じるのか、なぜか脇芽を次々と出し、葉の大きさより成長点や子株の数が増えます。1枚1枚の葉の大きさが大きくなりにくい印象です。
結論…ブセをトリミングする際は充分に伸ばしてからトリミングしましょう!
葉が小さくなるのはその弊害です。
ブセをトリミングするならこれ位の成長を目安にするのがおすすめだよ!
まずは充分育ててあげよう!
www.tanagogo.work
③ 活着土台が小さい(水中葉)

ブセは小さい溶岩石に活着させたりもしますが、活着土台が小さいと成長スピードも遅くなります。
本来横や上に広がるスペースがあれば更に成長出来るのですが、無いと成長速度を落としてしまい結果株が大きくならず小さいまま成長が遅くなってしまいます。
最初は株の大きさに対して不恰好でも伸び代を考えて少し大きめの活着物に付けるのも一つです。
大きな活着物ならトリミング頻度も下がり、その分成長速度も上がるよ!

例えば、このブセファランドラsp.プラチナは5年以上飼育してますが、これは購入当初の画像です。
▼2024年のプラチナ▼
土台が小さくこれ以上伸びる所がなく、成長速度が遅かった。
▼2025年のプラチナ▼
しかし新たに活着先を作る事で更に大きくなります。
この1年で成長スピードが速まりました!
④ 飼育環境と状態が悪い(水上・水中)

飼育環境については具体的に書くとかなり長くなるので、ここでは簡単にまとめます。
飼育環境が悪い=成長速度が遅くなり、溶ける又は枯れる原因にもなります。
ブセファランドラは水中・水上葉共に、水質や水温の急変、富栄養化した水・汚れた低床は好みません。
勿論枯れや溶けの原因は水温・水質の急変や低床の汚れだけでなく、生体による食害や、トリミング時の傷・ピシウム等様々な要因があります。
ブセは飼育環境が良くないと溶けたり枯れたりします。
枯れたり溶けたりすると、仮に復活しても元の状態に戻す迄に数年かかります。枯れや溶けは未然に防ぐ様心がけましょう。
飼育環境が良いと成長の促進にもなりますが、飼育環境の悪さ=ブセの状態悪化となり、溶けや枯れ等、大きく成長を後退させる要因になるので注意です。
水上葉は特に水質・水温変化に注意

僕のイメージでは水中飼育より、水上飼育の方が環境が変化し易いです。
理由は水量自体少ないので、水温・水質・湿度も変わり易い印象があります。
おすすめは空調管理で温度の均一、水は飼育水を使用して水換え時の水質変化防止、定期的な換気と霧吹きで湿度を一定に保つ事も大事です。
低床や肥料に拘ったからと言って魔法の様に成長が早まる事はまずないです。
経験上、極力変化を抑えて良い飼育環境で育てる事でブセを健康な状態にする方が良いです。
水上葉は特に高温に弱いよ!極力飼育環境の急変は避けよう!
成長速度が遅く大型化しない種類がある

同じブセでも成長速度や大きさは種類によって変わります。僕は80種程飼育してますが種類による違いはかなり感じます。
ブセを育てていると成長速度が極端に遅い種類や元から大きくなりにくい種類もあります。
経験上斑系(バリエガータ)やホワイトは特に遅い印象があり、他にもファントム系やミニ系等は量は増えるが葉が小型で大きくならない種類もいます。
逆に大型種ならスケルトンキングを始め、モトレイアーナ、パールグレイ、swシンタン、チェリッシュ、シャイングリーン等株自体が大型化しやすく成長速度も驚くほど早いです。
種類によって成長速度や大きさは千差万別!2年で10倍以上増えた種類もいるよ!
大型種は葉が大きくなる=株も大きく比較的成長も早い為丈夫な種類も多いです。
興味があれば大型種だけを集めた記事があるのでコチラもお読みください。
▼大型に育つブセ10選!▼
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ブセを大型化させるコツ

最後にブセを大型化させる方法をいくつか紹介します!
ブセを大きく育てるには○○をしたら倍のスピードで大きくなるよ!みたいな魔法の対策はありません。
適正な飼育環境で正しい飼育方法を行う事が最大の近道と言えます。
下記のポイントを抑えて育ててみてください。
極力大きめの活着土台に活着させる
ソイル低床で育てる
枯れや溶けは絶対避ける
大型になる種類を育てる
ブセを大きくしたいならトリミングは極力控えるべきです。
トリミングする度に活着期間の成長も遅くなりますし、株が小さいとスピードも遅く葉も小さくなる弊害が生じます。
更にトリミングには敏感で株を傷つけるとそこから溶ける事もあるので、トリミングをする際は充分に成長させてから行いましょう。
また水中葉であれば一回り大きめの活着土台に活着させ伸び代を用意しましょう。
ブセは一度枯れたり溶けたりすると状態を回復させるのにかなり時間を取られてしまうので枯れや溶けは致命的です。食害がある生体との飼育も避けましょう。
水中葉はハイブリッドソイルで育てる

水中葉に関しては、大きくさせるならハイブリッドソイルがおすすめです!
低床については、栄養ソイル・吸着ソイル・ハイブリッド・田砂・大磯砂色々試しました。
大きくしたいなら栄養と吸着のハイブリッド『マスターソイルネクスト』が1番おすすめ!
■ マスターソイルネクスト ■
一般的にソイルの寿命って2年程度な印象ですがブセに於いては崩れがない限り3年しても問題なく使えます。
使い易さなら吸着系ソイル・大磯砂・田砂が管理し易いです。
栄養系ソイルは苔問題に悩まされる事が多く、個人的には使い勝手が難しいです。
黒髭苔で悩むようであればJUN『プラチナソイル』辺りが無難におすすめです。
■ プラチナソイル ■
水上葉はとにかく状態

水上葉は結論状態を上げるのが1番かと思います。
根がガッツリ降りてて葉が上にグッと持ち上がってる時は状態も良く大きくなるのも早いです。
逆にトリミング後や状態が落ちてる時は葉が重力に逆らえずクタっとしていて、軸が明らかに元気じゃない時なんかは成長が遅くなります。
個人的な所感ですが、ブセはあまり肥料や栄養を必要としません。
▲現に上のモトレイアーナは水苔です、水質や水温変化抑えて、定期的な霧吹きや水通しをして根の状態を良くする。
溶けやピシウムといった、成長が遅くなる要因を一つ一つ削って行く。
コレが大事かと思います。
まとめ

今回はブセの葉や株が大きくならない原因とその対策を紹介しました!
ブセは非常に成長が遅く、増やす・大きくするのは結構大変です。
実際ブセはアクアショップでは一般的な水草の10倍近い高価な値段で売られていますが。
美しさや希少性だけでなく、簡単に増やしたり大きくできない事も理由の一つかと思います。
結論、ブセを急激に大きくする方法はありません。
個人的には大きくならない理由を一つ一つ潰してブセにとって良い環境を作る事が最重要かと思います。
動画コンテンツでも紹介中!
www.youtube.com
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