こんにちわ!かつやんです!
今回は、オレンジ色の婚姻色が美しい『ミヤコタナゴ』を紹介します。
ミヤコタナゴは1974年 国の天然記念物に指定されています。
以前は関東全域に生息しており、河川の改修や母貝になる二枚貝の減少、外来魚の増加により自然界では絶滅してしまったタナゴです。
ミヤコタナゴの由来は東京に多く生息していた事から『都』『ミヤコ』の名前がついたと言われています。
現在は自然界には生息しておらず、売買・飼育・繁殖は勿論、所持しているだけで逮捕されてしまいますので要注意です!
現在は一部の環境センター・動物園等で観察する事が出来ます!
※記事内で観察できる施設を紹介します!
この記事ではミヤコタナゴの生体や、観察できる施設を都道府県別に紹介!又類似した特徴を持つタナゴ等紹介したいと思います!
※この記事で使用している写真は各施設で撮影させていただいた物です。
- ミヤコタナゴの特徴
- ミヤコタナゴの外観
- ミヤコタナゴの生態【食性・生息環境・減少した原因】
- ミヤコタナゴの繁殖方法
- ミヤコタナゴを観察できる場所
- ミヤコタナゴの保全情報
- ミヤコタナゴに似ている種類を飼育したい
- まとめ
ミヤコタナゴの特徴
分類 | コイ目 , コイ科 , アブラボテ属 |
学名 | Tanakia tanago |
育成難易度 | 天然記念物に指定されている為不明 |
寿命 | 2年前後 |
大きさ | 最大で7㎝前後 |
飼育水温 | 10℃〜27℃ |
性格 | 気性は結構荒い |
産卵時期 | 【春型】 4~6月 |
特記事項 | 1974年に魚類初の天然記念物に指定 1994年に国内希少野生動植物種に指定 |
ミヤコタナゴの外観
体長は約7cm前後と小型~中型。体形は側扁し、体高はやや高めです。
アブラボテ化に属しており、一対の口ひげがある事や鰭の形状がアブラボテに類似している。
体色は銀白色だがやや黒で鰓蓋の後あたりに暗色の小斑が見られる。
外観的にはアブラボテと中国の火山タナゴに似た色合いをしています。
婚姻色が出ると鰭にオレンジに近い朱色が出て非常に美しいです。
腹前部がオレンジ色腹や尻鰭・尾鰭は黒と橙の縁取りが美しい。
ミヤコタナゴの写真をもっと見たい方はコチラの記事をどうぞ!
www.tanagogo.work
【ミヤコタナゴ雄の婚姻色】
繁殖期を迎えた雄は体色が背側が青、中心や鰓蓋~頭部が紫、腹部は朱色に染まります。
胸鰭・臀鰭・尾鰭はオレンジ色に近い朱色になり、尻鰭は淵が黒く、背鰭の先端は白くなる。
吻や鰓蓋等顔の周りに追い星が強く出るのも特徴。
【ミヤコタナゴ雌の様子】
雌は地味目な銀白色で雄に比べ一回り小さく、体高はやや低め。
雄同様口に一対の髭があり、各鰭は黄色い色をしている。
アブラボテの雌に類似した特徴があります。
生後一年ほどで産卵出来る様になり、雌は春型産卵で繁殖期の4〜7月にかけ卵管が出る。
繁殖期の雌は卵を持つ為お腹周りはでっぷりしている。
ミヤコタナゴの生態【食性・生息環境・減少した原因】
【食性】
雑食性で付着藻類や微生物等を食べます、現在は各施設で人工飼料による飼育がされています。
【生息環境】
平野部下流からの支流によってできた沼や小川に生息しており、止流域を好み二枚貝豊富な水が綺麗な水域に生息していました。
【減少した主な原因】
都心の河川改修工事などによってコンクリート化が進み、ミヤコタナゴや産卵母貝(マツカサガイ等)の生息環境が荒廃・消滅したことが大きな原因。
その他ブルーギルやオオクチバスなどの外来魚の流入や、タイリクバラタナゴの生息域拡大もあり、ミヤコタナゴは自然界で絶滅してしまった。
ミヤコタナゴの繁殖方法
春〜夏型の産卵で4〜7月にマツカサガイやドブガイなどの淡水二枚貝を好み産卵をしていた。
他の春型産卵のタナゴ同様、水温22度前後で2日で孵化し、孵化した稚魚は1ヶ月ほど母貝で過ごし全長8〜9mmになると産卵母貝から浮出します。
1年で成熟し繁殖出来るようになり、自然界での寿命は約2〜3年といわれてます。
現在自然界では殆ど目にする事はありません。
国の指定天然記念物の為、指定の施設以外での繁殖は出来ません。
近年ミヤコタナゴを大量に飼育所持していたとして男性が逮捕されたニュースもありましたが、比較的繁殖は簡単な様子。
施設でも個体数は増加傾向で繁殖させやすいそうです。
ミヤコタナゴを観察できる場所
日本固有種で以前は関東地方の全域に生息し、ごく普通に見られたが現在は絶滅してしまい自然界には分布していません。
現在は千葉・栃木・神奈川・埼玉の一部にのみ生息している。
(自然界ではなく、環境保護センター等の国指定の施設で繁殖をしています。)
その為、ミヤコタナゴを観察したい方は水族館や環境センターがおすすめです!
ミヤコタナゴを観察できる施設を都道府県別に下記で紹介したいと思います!
【東京都墨田区 すみだ水族館】スカイツリーのソラマチからスグ!
交通の便も良いので都内の方なら観察し易い。
東京スカイツリータウン®にある「すみだ水族館」【公式】
【東京都吉祥寺 井の頭自然文化園】YouTube等でもガンガンUPされていてとてもキレに展示されてます。
井の頭自然文化園公式サイト - 東京ズーネット
【千葉県いすみ市 環境センター】ミヤコタナゴが観察出来て周りも非常に自然豊かな場所です。
千葉県いすみ環境と文化のさとセンター
【栃木県 なかがわ水遊園】周りに自然豊かな小川が多いので近くでタナゴ釣りも楽しめます。
【公式】淡水魚水族館の栃木県なかがわ水遊園
【神奈川県横浜 野毛山動物園】アクセス良好 お出かけついでに観察できます!
神奈川県横浜 野毛山動物園
【滋賀県 琵琶湖博物館】関西圏でも観察できます!その他淡水魚多数展示されていて日淡好きにはたまりません!
滋賀県 琵琶湖博物館
ミヤコタナゴの保全情報
【保全状態】
現在は自然界には分布していない。
1974年に天然記念物に、
1994年に国内希少野生動植物種に指定。
環境省レッドリストでは、絶滅危惧IA類に当初から指定されており、許可のない捕獲・採集や飼育、譲渡売買は禁じられています。
同じく天然記念物のイタセンパラも同様である。
その他、スイゲンゼニタナゴ・セボシタビラ等が種の保全法で指定されています。
ミヤコタナゴに似ている種類を飼育したい
ミヤコタナゴは前途でも説明した通り、現在飼育する事は出来ません。
『代わり』という訳ではありませんが、ミヤコタナゴに似ている。近い色合いや形状をしたタナゴを紹介したいと思います。
【アブラボテ】
ミヤコタナゴもアブラボテ属なので大変似通った特徴をしています。
体色は黒く、オレンジ色の尻鰭や長い一対の髭等共通点は多いタナゴです。
比較的安価で購入出来、繁殖や飼育も簡単で他の淡水魚とも一風変わった外観をしているので混泳させても面白いですよ!
【火山タナゴ】
大きさや形状も似ており、ミヤコタナゴがオレンジに近い朱色なら、火山タナゴは赤に近い朱色をしています。
火山タナゴはシーナンタナゴと呼ばれており、国外中国のタナゴです。
希少性も高くあまりお目にかかれない珍しいタナゴです。
まとめ
現在ミヤコタナゴは購入・入手・採取する方法はありませんが、一部の施設では見る事が出来ます。
ミヤコタナゴは現在飼育が出来ない為、どうしても飼育のしたい方はアブラボテやミヤコタナゴの飼育をお勧めします!けっこう特徴が似ているので飼っていて面白いですよ!
今いる在来種のタナゴも年々数を減らしていますが、乱獲や放流などはせず、釣りや飼育をする人たちもマナーを守っていきたいですね。
このブログではタナゴ関係の情報を提供しています!
よろしければ是非読者になっていただけると幸いです!