松かさ病は別名立鱗病とも呼ばれ、金魚の鱗が松ぼっくりのように逆立ってしまう病気です。
主な原因は水質悪化や消化不良等、飼育環境の悪化で弱った際に細菌に感染し発症しやすくなります。
金魚の病気の中でも最も治療が困難な病気の一つで、重症化すると不治の病となってしまいます。
末期になると腸管の炎症が起こり便秘が加速したり、口元に潰瘍ができる事もあり餌を食べなくなって衰弱し死に至ります。
目が飛び出る(ポップアイ)等様々な病気も併発するのも特徴の一つです。
この記事では松かさ病の原因や、初期症状、治療法、魚病薬、予防方法等詳しく解説していきます!
初期段階なら薬で治る可能性もある為、早期治療をおすすめします!
- 松かさ病とは?
- 松かさ病の初期症状
- 松かさ病の原因
- 松かさ病が発症した水槽はリセットしましょう
- 松かさ病の治療(薬浴)
- 松かさ病の治療薬
- 薬浴の前後には塩浴をしよう!
- 松かさ病の予防方法
- まとめ
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松かさ病とは?
松かさ病は別名立鱗病とも呼ばれ、金魚の鱗が松ぼっくりのように逆立ってしまう病気です。
最も治療が困難な魚の病気の一つで、進行した松かさ病は不治の病とも呼ばれています。
主な原因は水質悪化や消化不良等、飼育環境の悪化により免疫を落とすと発症しやすくなります。
原因になる細菌は『運動性エロモナス』です。この細菌に感染すると松かさ病以外に赤斑病(せきはんびょう)等の原因になる細菌です。
松かさ病は色々な病気を併発して起こす事があり、目が腫れあがる『ポップアイ』等の症状が出る事もあります。
松かさ病の治療は難しく、理想は発症しないように普段から適正な飼育環境を心がけ予防することが大切です。
松かさ病の初期症状
松かさ病は進行すると治る確立は低くなります。
その為初期症状を見落とさずに松かさ病と分かった時点ですぐに治療に取り掛かる事をおすすめします。
松かさ病の最初期に見られる症状
・身体が楕円形に膨らんでくる。(違和感がある膨らみ方)
・体に赤い出血痕が現れる事がある。
(赤い出血痕が出るのは同じ運動性エロモナス敗血症の『赤斑病』も併発する事が多く、その症状の一つです。)
因みに餌は食るし元気なことが多いです。
『治療して治る可能性があるのはこの段階まで』です。
次第に鱗の開きが大きが悪化します。
更に進行すると不要な体液を排出できない為、鱗が逆立ち身体がむくみ、赤斑が身体中に転移していきます。
中期〜末期は便秘の症状も絡み、元気がなくなり餌にも興味を示さなくなります。
松かさ病の原因
松かさ病の原因となる細菌は『エロモナス・ハイドロフィラ』という運動性エロモナスが原因です。
水質悪化・水温の変化等環境変化によるストレスが発病誘因とされており、屋外飼育の場合春先や水換え不足の時に多く発生します。
他にも過密飼育や定期的な水替え・フィルターの洗浄を怠るとストレスや免疫力の低下で発病する事があります。
松かさ病は劣悪な環境で発生する為、一度飼育水槽の環境を見直すと良いでしょう。
松かさ病が発症した水槽はリセットしましょう
松かさ病自体は感染しませんが、複数飼育をしている場合同じ飼育環境の他の個体も発症する可能性が高いです。
原因菌『運動性エロモナス』に感染するのは飼育環境が悪化している証拠です。
他の個体も免疫力がさがったり体調を落とせば次々と発症する可能性が高くなります。
僕も屋外水槽を放置してしまった時に6匹中4匹が感染してしまっていました。
環境としてはかなり悪いので直ぐにリセットをお勧めします。
松かさ病の治療(薬浴)
合成抗菌剤のオキソリン酸での薬浴が推奨されています。
商品名で言うと、『観パラD』『グリーンFゴールドリキッド』などです。
これで治らない場合少し強めの『エルバージュエース』『グリーンFゴールド 顆粒』などを使います。
しかしエルバージュエースは水60lに対して0.5gと希釈量が難しいので初心者には『簡単な観パラD』の治療がおすすめです。
しかし薬浴効果もそこまで高いという訳ではなく、松かさ病初期症状なら治るが進行している場合は内臓がやられてしまう為大半が死んでしまいます。
■■ ニチドウ 観パラD ■■
カンパラDでの治療法
基本は容量や希釈量は守って使うのがベストですが、観パラDも結構強めな薬です。
観パラDは水10lに対して1mlが適正量ですが
薬浴開始時は20lに対して1mlと半分量位から2日おきを目安に水換えの際徐々に濃くして適正量に合わせていくのが良いです。
▲あくまでも経験談ですが、薬のショックが強い様で動かなくなってしまう為です。
松かさ病の治療薬
松かさ病の治療に効果が見込める薬はオキソリン酸の魚病薬です。
観パラDとグリーンFリキッドは同じ成分ですが「濃度」が違います。
例)カンパラDは水10lに対して1ml
グリーンFリキッドは水1lに対して1ml
カンパラの方がコスパが良く、グリーンF ゴールド リキッドは10l以下の水量で使いやすい印象。
■■ ニチドウ 観パラD ■■
■■ グリーンF ゴールド リキッド ■■
他にも少し強めの成分ですが、エルバージュエースやグリーンF ゴールド 顆粒でも治療可能です。
ニトロフラゾンとスルファメラジンナトリウムという成分の薬で、オキソリン酸より強力な魚病薬です。
■■ グリーンFゴールド 顆粒 ■■
■■ ニチドウ エルバージュエース ■■
薬餌での対処法も有効
松かさ病はエロモナス菌が体内に侵入することで発症します。
その為直接腸まで届ける薬餌の方が松かさ病には効果があると言われています。
薬餌は便秘の症状があると糞が排出できなくなり逆に内臓へのダメージを与え回復不能になってしまいます。
薬餌は上記で紹介した薬品を顆粒餌や乾燥アカムシに染み込ませる与える方法ですが、私はまだ実際試みた事がない為
作り方や与え方は責任の範囲でお答えできませんが、そういった治療法もあります。
初心者の方なら薬浴でも良いかと思います。
▼▼ 金魚がかかりやすい病気とその治療法!▼▼
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薬浴の前後には塩浴をしよう!
塩浴はの0.5%の濃度の塩水で泳がせる事で体力の消費を軽減する事が出来ます。
松かさ病は水分代謝がうまくできなくなることで体のむくみや鱗の逆立ちが発生する為、塩浴は浸透圧を調整し、水分代謝をサポートしながら体力回復を行う事ができます。
薬浴の前後で行う事で薬浴に耐える体力の回復や、消費した体力の回復が期待できます。
■■ スドー 金魚の天然珠塩1kg ■■
0.5%の塩水は水1lに対し5gの塩で簡単に作れます。5g用のスプーンも付いているのでこちらは使い易いです。
▼▼塩浴の効果や正しいやり方はコチラの記事で詳しく解説してます!▼▼
www.tanagogo.work
松かさ病の予防方法
松かさ病は水質悪化が主な原因であり
かなり劣悪な環境で発生します。
過密飼育や餌の与え過ぎを改善して
低床掃除やフィルター清掃を定期的に行う事で予防できます。
飼育環境を整える事で金魚の病気の大半を予防する事ができます。
まとめ
今回は松かさ病の治療法や予防策について解説しました。
私もまだ初心者の頃に一度発症させた事があります。
松かさ病は罹ると完治の難しい重病です。
治療薬も成分が濃いものが多く正しい使用が難しい事も原因です。
治すより予防する、発生させない、再発をさせない事を視野に飼育しましょう!
このブログではアクアリウム関係の情報を提供しています!
よろしければ是非読者になっていただけると幸いです!
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